
「自家感作性皮膚炎」って、あまり聞き慣れない皮膚病ですよね。
かゆい湿疹ができて皮膚科に行ったら、いきなり自家感作性皮膚炎と診断されて「??」となっている人も多いのではないでしょうか。
ここでは、自家感作性皮膚炎の一般的な症状、原因、治療法について具体的に説明していきます。
自家感作性皮膚炎とはどういう皮膚病か、原因や治療法、どのくらいで治るのかについて、くわしく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
Contents
自家感作性皮膚炎とは?
自家感作性皮膚炎とは、「最初に体のどこかにできた湿疹や皮膚炎が悪化し、そのうち体中に細かい湿疹が広がっていく皮膚病」です。
強いかゆみを伴うことと全身性の湿疹であることから、心身ともにダメージを被る人が多いのが特徴です。
自家感作性皮膚炎では、まず最初にカラダのどこかに湿疹や皮膚炎ができます。
その湿疹や皮膚炎がすぐに治れば自家感作性皮膚炎にはならないのですが、何らかの原因で湿疹や皮膚炎をこじらせてしまい、いつまでも治らない状態が続くと、自家感作性皮膚炎を発症して全身に湿疹が広がっていきます。
この最初の湿疹や皮膚炎のことを「原発巣」といい、現れるのは下腿、つまりひざから下の部分が多いと言われています。
もちろん、足以外にもあらゆる場所の皮膚炎が原発巣になる可能性があるのですが、自家感作性皮膚炎の50~60%が、下腿の皮膚炎が原発巣となって発症しているそうです。(実は私もそうでした)
最初にできる湿疹や皮膚炎の種類は、人によってさまざま。
一般的には以下のようなものが多いです。
- 虫刺され
- かぶれ
- アトピー性皮膚炎
- 貨幣上湿疹
私の場合は、アトピー性皮膚炎の湿疹がきっかけでした。
いつもはすぐに治まるアトピーの湿疹がこの時はなかなか治らず、そのうち化膿してジュクジュクとした湿潤状態になってしまい、とうとう自家感作性皮膚炎を引き起こしてしまったのです。
自家感作性皮膚炎の症状はどんなもの?
最初にできた原発巣がきっかけとなり、そのうち腕や足、おなかや背中といった胴体部分などカラダのあちこちに1ミリ程度の湿疹がポツポツと生じます。これを「散布疹」といいます。
自家感作性皮膚炎の特徴は、この散布疹が左右対称に現れること。
私の場合も、まずは原発疹の対になる反対側の足にはじめの散布疹が現れ、全身に広がっていく際も見事に左右対称でした。
この散布疹も原発疹同様にとてもかゆく、掻いているうちにどんどん赤く腫れて化膿していき、それぞれの皮疹がくっ付いて大きくなることもあります。
炎症がひどくなると水ぶくれになってしまうことも。
こうしてどんどん湿疹が全身に広がっていき、カラダ中が強烈なかゆみに襲われることになります。
自家感作性皮膚炎の原因

自家感作性皮膚炎は、最初にできた急性の皮膚炎が悪化したためにリンパ球が活性化し、ほかの部位にまで影響を及ぼすことが原因で発症すると考えられています。
また、最初の原発疹ができた際の細菌感染が原因となるケースもあるようです。
とにかく、自家感作性皮膚炎を発症する原因は「最初にできた皮膚炎」です。
最初の時点でしっかり皮膚炎を治療していれば、自家感作性皮膚炎に発展することはありません。
私も、最初に足にできたアトピーの湿疹を放置してしまい、ひどく化膿させてしまったんです。面倒がってなかなか病院へも行かず、適当に家にあった薬を塗ったりして凌いでいました。
今思えば、この時の対処法が大間違いでした。
湿疹ができたら、とにかく早く治すことを心がけなくてはいけなかったのです。
自家感作性皮膚炎は、最初の原発疹が治れば、ほかの部位の湿疹もじきに治ってくると言われています。
そのため、皮膚科ではまずこの原発疹の治療から取り掛かることになります。
自家感作性皮膚炎のメインとなる治療法
自家感作性皮膚炎の治療では、まず原発疹の完治を目指します。
上に書いたように、原発疹が完治すればほかの散布疹も消えていき、症状が改善されると言われているからです。
では、一般的な自家感作性皮膚炎の治療法を紹介します。
自家感作性皮膚炎で処方される薬
自家感作性皮膚炎の治療は、炎症を抑える「ステロイド外用薬」と、かゆみを抑える「抗ヒスタミン薬」の内服がメインです。
炎症が激しい場合は、「ステロイド内服薬」を処方されるケースもあります。
- ステロイド外用薬……免疫抑制の作用を持ち、炎症を素早く抑える。強さのレベルが5段階あり、症状に合わせて適切なレベルのものを処方される。
- 抗ヒスタミン薬……かゆみを抑える飲み薬。かゆみの元となる「ヒスタミン」を抑制する。副作用は眠気。
- ステロイド内服薬……外用薬と同じ効能を持つが、内服薬は全身に効くため症状がひどい場合に処方される。
ただ、私自身は原発疹が治っても全身の散布疹が消えるまでにはずいぶんな日数がかかりました。
なので、「原発疹が治れば散布疹も消える」というのは、正直疑問です…。
また、ステロイド内服薬ですが、私は自家感作性皮膚炎を発症中に2回処方されて服用しました。
ステロイド内服薬の効き目は高く、服用したときはかゆみ湿疹ともにかなり楽になりました。
ちなみに、かゆみ止めの軟膏も処方されましたが、残念ながらほとんど効き目を感じませんでした。
そのため、かゆみには市販のかゆみ止めをよく利用していました。
▼私が効果があったと感じた市販薬は、以下のページにくわしく載せています。

自家感作性皮膚炎はどのくらいの期間で治るのか?
自家感作性皮膚炎は、処方された薬を使ったからといって、風邪のように数日で治るということはありません。
私を含め、この皮膚炎に罹ったほとんどの人が、完治までには短くても数カ月~半年の治療期間を経ています。
長期の治療が必要になるのは確かですが、実際のところ、治るまでの期間は人によってかなりバラつきがあります。
4カ月で治った人、1年かかった人、2年くらいずっとこじらせている人など、他の人の症状を見ると本当に千差万別。
なので、はっきり「〇〇カ月で治る」と断言できないのですが、私自身は湿疹とかゆみが消えるのに約半年、湿疹の痕が消えるのに約1年の期間がかかりました。
このへんのことは、以下の記事にくわしく書いています。

まとめ
自家感作性皮膚炎を長引かせないためには、早めに皮膚科を受診して診断をあおぐことが大切です。
そして何より、原発疹を悪化させないことが自家感作性皮膚炎を予防するカギとなります。
湿疹や皮膚炎ができたら、大したことがなくても放置せず、数日たっても回復の兆しが見えないときは早めに皮膚科を受診するのが良いと思います。
私は体質的にアトピー湿疹が出やすいので、兆候が出たらすぐに軟膏(非ステロイド・ステロイド)を塗って対処するようにしています。
自家感作性皮膚炎を発症する前はステロイドは怖くてほとんど使ったことがなかったのですが、今はステロイドよりも湿疹を悪化させる方がよほど体に害を及ぼすことを実感しています。
そのため、非ステロイドの薬が効かないほど湿疹の勢いが強いときは、今は躊躇なくステロイドを塗って炎症を抑えています。
とにかく、自家感作性皮膚炎かもしれない……と思ったら、すぐに皮膚科の医師に診てもらうことをおすすめします。
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